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珈琲が美味い、凄く美味い、ゴクゴク、 ・・・あ、喉渇いていたのか 「・・・何だか、つまらないわね本当に」 「!・・・・ そ、そう言うコト、言わないの」 アレだけ男1匹、壊しておいてコメントはソレなのか、い、いや、いつもの彼女なダケなのだが 本当に毎度恐ろしい女である 「様子見した甲斐もあったモンじゃないわ、ホントに」 ![]() いつもなら窘める箇所ではあるが ただ、ただ頬杖をついて彼女を眺めているワタシである アンタが、一体ドコに行きたいのかがワタシには判らないよ 14歳の時も判らなかったけれどアレから何十年も経ったけれど それでも、今でも、判ってはやれないよ ゴメンな 「中途半端は1番ダメね、期待した私がバカだったわ」 ![]() 中途半端、か、 ドコまでがイイのか、ドコからなら満足なのか、 「今回は運が良かったんやで?判ってる?」 ----- まぁアノお粗末なパンク説が成功したとも思えはしないのだが 「運?何の運?今回も見事に外れよ?運なら悪かったけど?」 ----- だよね、アンタからすれば運が悪いになってしまうのか もっと、もっと危機感を感じられる相手なら今よりは満足に値するのか もっと、もっと相手に憎まれれば 自分の存在価値をソコに見出すのか 判らないよ、判ってはやれないよ、 人が人のコトを偉そうに判ろうだなんて、 ソレがワタシの驕りだと十二分に理解をしていても、 それでも、それでも、 アンタの何もかもを握り潰そうとしているソノ手を見ていると たまに目尻に何かが滲んでくるのは一体何故なのだろうね 判っていたのに、判っていたのにね、 アンタと出逢った時、既にアンタは見事に壊れていた 壊れていたモノを直したいなんて そんな偽善者ぶったコトは思いもしなかったけれど それでも、「既に壊れていたから」とソレを ワタシ自身への言い訳にしているのではないかと 自分を疑わない日も無かったのかも知れないよ 「・・・・アンタさ、拡大自殺って知ってる?」「?なあに?急に」 「ん~簡単に言えば自分じゃなく司法を活用して、の感じ」 「?もっとワカラナイ?」 「んん~ 死刑になりたくてわざと ソレ級の事件を起こしたり、とか映画なんかで 取り囲まれた警官に一斉射撃されるのを選んで、も、その類」 彼女の瞳が少しだけ動く、 ワタシも何故この話をし始めたのか、自分でもワカラナイ ![]() 「・・・そう、映画とかではあるわよね、 ・・・・ふうん、拡大自殺って言うんだ」 「そう、そうやって言うらしい」 (・・・・ドウシテ、ソノ話ヲ、今、ワタシニ、スルノ?) ----- そう彼女が言おうとして、黙ったのが伝わってきた 替わりに彼女が言う、 「・・・少し、寒いわね」「・・・・アンタ、コート着てないからね」 「クスクス、そうね、燃やされちゃったもんねぇ、クスクス」 ![]() その時、彼女の携帯が鳴る ワタシと彼女は眼を合わせたまま ドチラも外さない、外せない、 誰カラノ、ドンナ電話ダトシテモ、今夜ハ、モウ止メテクレ、 少シデモイイ、休ンデクレ、 モウ、生キ急ガナイデクレ、頼ムカラ、 そして、やっぱり先にワタシが負ける、昔も、今夜も。「・・・外で1本、吸ってくる」 彼女は何か言いかけたが少し考えてから電話を取る、 「もしもし、はい、ええ、」 ![]() その後は自動ドアの開く音が 彼女の声を掻き消す ただ、それだけだ 外の気温と煙を肺に目一杯、入れてから出す、ソレを繰り返す、 ![]() ユックリと1本吸ってから暖かい店内に戻る。 真正面からは彼女の眼を見たくない、何故だろうか 「・・・・・行きな、コート貸してあげる、 あとTAXI代、3000円貸しちゃる、いや、あれ、3000円しかない、 でも、・・・・ワタシは、送らないからね」 ![]() 一瞬、ほんの一瞬だけ、彼女が傷付いたような目をした まさかな、そんな筈はない、 ・・・・ある訳がないじゃないか 「ありがと、また電話するわね」 「電話なんてすんな、トモダチじゃないんだし」 「クスクス、やあねぇ、・・・・じゃ、また」 彼女の背中がすっかり見えなくなってから「・・・トモダチじゃないよ 只の、証人なダケやて」と、 独り言がクチから出そうになり慌てて噤むワタシ ココで独り言など言えば 芝居掛かった極寒のオバハンではないか、 危ニャイ、危ニャイ、 誰かの今夜の感傷と凍傷が伝染したようだ ![]() 今夜が寒くても 春は、もう直ぐソコなのだ ----------------------------------- この後、レジで「あ、やべ」と冷凍ネコニクになります 3000円しか財布に入ってないワタシが悪いのであるが 彼女にTAXI代として渡してしまったのだった 「あの・・・・恐縮なんですが・・・カ、カ、カード?使えます?」 お金がなくて真っ青になり 恥ずかしくて真っ赤になるネコニク、 どうよ、このテイタラクとカラフルぶりは。 -------------------------------------------- ゴ無沙汰しておりました、ネコニクでございます。 2012年は更新頑張るニョーと思っていたら3月ですね、あらビックリ。 「何か(壊れた)とか(べチョ~っ)とした話ありませんか」と ネチョリンしたリクエストが多かったので ワタシがココ最近で思い当たるブロークンな話の更新となりました。 暗めで、色は使わず、ごごご満足頂けたら幸いでございます、です。 2012年、フツツカモノですが今年も宜しくお願い申し上げます ------なんて、なんて、------嬉しそうなんだ。 手では覆っているが口元が緩む寸前だ、 あの顔、あの眼、何とも言えない表情じゃないか。 ![]() そう、この顔をワタシはよく知っている もう何十回も横目で諌めてきたではないか。 しかしいくら諌めようが彼女には通用などしないし ソレがいつか通じればいいなどと 奢った思考などはワタシも持ち合わせてもいない。 お、やっと、何とか冒頭の冒頭に戻りましたね、ああ良かった、 ダラダラ書き過ぎたので戻れる自信が全く無かったのでした ------ 戻ろう、 そう、彼女は「嬉しくて仕方ない」のであります。 誰かが自分を殺そうとしている、なんてそんな際際際の感覚に身を震わせて喜んでいるのであります。 ・・・・・ 「コレ」が彼女の根本から「壊れている所以」なのだから 誰かが本気で自分を壊そうとしている、全身全霊で誰かが自分を憎んでいる、 そんな修羅シュシュシュな状況は 彼女の至上の好物なのだ。 誰かに「本気で愛される」などには全く興味は沸かないしそんな「甘い窒息プレイ」などは何の役にも立たない、 それよりも、 誰かに「本気で憎まれる」にこそ彼女は生の息吹を感じる、 愛情のこもった視線などでは誰も溶けやしない、 憎悪の視線こそ 肌を射抜くチカラを持つと信じて疑ってはいない。 本気で壊して、薄皮1枚でまた辛うじて繋げて、その薄皮に細い血管が数本通り、やっと血が通い出した頃 バリバリと音を立てながらソノ皮膚に爪を立てて切り裂く、 そうしないと、 そうでもしないと、 彼女は生きている実感を得られない もう遠い遠い昔から 先刻の彼女の弾んだ声での質問に彼の表情が変わる、今までそんな嬉しそうな声で 何かを質問された覚えが無いからだろう。 彼女が膝をつきながら彼まで目線を下げて進み寄る、 彼はそのシチュエーションが未経験ゆえに驚きを隠せない。 彼女が、あの彼女が、 自分の膝をつき己の手を取ってくれているのだ、 今、何が起きているのか彼には全く判らないのであろう。 「もしか、もしかして、 彼女は俺がどれだけ想っているのか理解してくれた?」 浅はかにも、愚かにも、彼はコノ時にそう一瞬考えてしまったのかも知れない そして、実に嬉しそうに、この上なく美しい笑顔で彼女が彼に問う、 「そんなに憎い?殺したかったの?そうなの?」 「えっ?なに・・・・・?」 彼の顔が一気に蒼白になる、彼女の質問の意味も、今の自分の立ち位置も、 何もかもが判らない、何もかもが掴めない、 しかし、自分が今の今まで 宇宙規模で何かを勘違いしていたコト自体は 人間の本能で何とか、何とかではあるが嗅ぎ取ったようだ 思わず手で目を覆ってしまうワタシ、・・・ああ、またやった、またもや、やってしまったのか、 彼の勘違いのヌカ喜びにも大いに問題はあるのだが ここまで、対岸ほどまでの勘違いを思い知らされた時に 人はどんなコトを感じ、どれだけ傷を負うのだろうか? ------ ソレは判らない、判りたいとも思わない。 ![]() あんなに嬉しそうな彼女を恐らく初めて彼は見たのだ、 その事実の根底は理解できないままではあるが 彼女は自分のコトを歯牙にも掛けないレベルなどではなく 人間としても扱い・認識していなかったのではと思い知る。 そして、彼は、真っ白になる。少なくとも、今ワタシにはそう見える。 物事の端も端、その一端すら掴んでもいないのに 訳も判らないまま彼は真っ白に漂白されていく、もちろんイイ意味ではなく。 ![]() 悪意を微塵も持たず彼女は 「私を殺したかったの?」と彼に問うた、 彼女は純粋にソレが知りたくて彼に聞いたのだから。 その純粋さは彼の何かの部分を見事に射抜き 彼の見たコトも、 聞いたコトもない奈落にそのまま突き落とす。 「殺したい・・・なんて・・・そんな・・・・」 -----彼はただそう呟く、それしか今は出来ないからだ いや、しかし、運が悪ければ誰かを巻き込み 惨事を起こした可能性もあったのだ、 そのコト自体については彼はどう感じ、 何を考えているのだろうか 「コホン、・・・・ええと、あのですね その、」-----本当に他人を巻き込んでもイイと思ったのか、否か、 ソレだけは確認しておくべきなのだろうか 「殺したい・・・なんて、ただ、たださ、(彼女の)車なんて無くなればいいと・・・」 ------- だからソレでは済まんじゃろ!アホか!おまいは! 「お前が、お前が悪い、・・・俺は、悪くない」 ------- そして、また咽び泣き始める彼 ああもう!誰かハリセン持ってきて! ワタシに車のコトはよく判らないのだが計算に計算を重ね、 高速でタイヤをバーストさせるコトに成功し ソレにより他人を少しでも 巻き込んでしまっていたのならば ワタシの立ち位置とすれば一応警察に通報する義務まで生じてしまう もし、ソレにより彼女単身で事故が発生した場合ならソレはイイのだ、 どんな事故を起こそうにも彼女だけならば 更に狂喜乱舞し沼の淵に立つ感覚を喜ぶだけであるからだ 「なに?車が無くなればイイと?思ったダケ?なの?」 ------ ガッカリし呆れ果てた声を隠さず彼女が言う、ああもう!ちょっと! 「・・・・え・・・だって・・・・まさか俺がお前を殺したい・・・なんて・・・」 ------ ああ、もう!答えるな!叩き落とされるだけなんだぞ! 「・・・なんだ、車ダケが狙いだったのね、・・・・ふうん、そう」 ------ ああ!チョット!もう止めてあげて!もう堕としたでしょ?もうイイでしょ! 「ねぇ、もう帰ろうよ」 車ダケが狙いならもう興味も無ければ意味もない、とっとと帰ろう、と これ程までに冷たい踵を返す人間をワタシは他に知らない 「・・・・・・!!!」 ああ、彼が、彼が、絶句して咽を詰まらせている、見るに耐えない、 フッと引き寄せてからいきなりの横殴り戦法、 故意でも何でもない、 純粋な横殴りゆえ余計に骨までを抉られる。 幾度見ても傍観側のワタシの胃がキュリキュリと縮み上がる 絶句したままの彼に「あなたの行為は他人を巻き込んだやもの危険なモノです」を 今一度だけ繰り返し説明をしてから帰らねばならない。 膝をつき覗き込みながら彼にユックリと話しかける、 彼がソレを聞いているのか否かまではワタシには判らない、 目は虚ろで膝は開き、 手か背で体重を支えてはいるが微妙な体勢だ。 それでも聞いて、出来れば理解をして貰わねばならない 「ねぇ、お腹、空いちゃった」 とっとと先にブーツを履いて帰る準備が万全の彼女の声が玄関口から聞こえてくる お腹、空いちゃった、か・・・・ 最後のトドメの1発なのか、いや、コレも故意ではない、 故意ではないから・・・・彼の耳には本当に残酷に響くだろう ![]() そして、彼の方を振り返らずに、いや、 もう振り返れないのだ、ワタシはその立場でもなかった、 ただ、・・・・玄関のドアを後ろ手にソッと閉めた 無茶苦茶に掻きむしった髪型、涙は既に出尽し乾いているので目尻が赤く腫れている ネクタイは乱れシャツの裾は パンツから片側だけ出てしまっている、 要は、「絵に描いたように ボロボロでおます」の具現化であります。 そんなズタボロ状態で時折ワタシをチラチラと窺い「フォローに近い言葉」を投げて欲しいの意図は伝わるが 悪いがワタシはフォローなどする気が毛頭無いのである。 そもそも「何のフォローを所望しているか」がワカラナイ、 このズタボロ醜態に対してなのか、 彼女が応えてくれないコトに対してなのか、 それに彼本人にも 「何をフォローして欲しいか」が判っていないのではないか。 「財布も燃えたなら免許証も、だよね」 「そうなの、再発行ね、・・・ソレが面倒だわねぇ」 彼女の普通の声のトーンに彼が腫れた眼で彼女を見上げる、その眼の色に驚きが含まれているように見えるのは何故だろう、 ・・・・あ、そうか、もしかしたら、 コートや財布を燃やされたコトなど 彼女が全く気にも留めていないと言う事実を ようやく、本当にようやくではあるが 理解し始めたと言ったトコロなのかも知れない。 多分だが、彼は「彼女が強固な振りをしていたダケ」で実はいつかは怒ったり、反論したり、 傷付いたりする普通の人間の一種だと 浅はかにも考えていたのかも知れない、 幾度も幾度も彼女に変質的な悪戯をした張本人のクセに まだ勉強し切れていなかったと言う訳だろうか? 普通は学ぶであろう、 ・・・・しかし、 学べていなかったから悪質な悪戯を繰り返してきたと言う裏付にも取れる。 ![]() そして、ようやく今理解をし始めたならば 今から急速度で更に壊れていく・・・・ ・・・・・・のが通例である、そうならば・・・・ 「ねぇ、お腹空かない?こんな時間だし」 ----彼女がワタシに言う !しまった、遅かった、今の今、このタイミングで 「彼女が普通」だと言うコトを彼に突き付ければ 彼は更に膝の骨を砕かれ 部屋を仰ぎ見るコトも困難になってしまう、 庇う訳では無いが人には許容量というモノがある、 今の彼にはキツイ、タイト過ぎて食い込んでしまうの巻きだ (今は、駄目、やめな) ------ 目線で彼女に言う (何?何が駄目なの?) ----- 彼女が目でワタシに問う (いいから、今は黙って、) ----- 再度、目で懇願するワタシ (いいから早く帰ろうよ?) ----- そしてソレに注意は払わない彼女、勿論故意だ 「・・・車は?ドコにあるの?」 -----足も無いと言ってたな、また悪戯の故障か? 「夕方修理屋さんに、変なパンクしてね」 ----変なパンク?いつも以上に変と言うコト? 「変なパンク?パンクに普通も変もあるの?」 ----続きを聞きたいとは思わないケド・・・・ 突然ヒステリックな笑い声が空気を揺らす、誰だ、高い笑い声、ココには彼女とワタシしか女は居ないのだが ・・・・勿論、その主は「彼」である 映画やドラマを見ていると「キレてしまった人の高笑い」と言うのは 鳥が鳴くような、神経に障る厭な音階で響き渡る物でもありますが 「実際にキレて高笑いする人」と言うのは ・・・・そのモノな場合が多い、ええええ?オチ無し?! 彼女の前でキレて高笑いする人と言うのを今まで星の数程に見ている、 だから「その高笑い」で空気を切り裂こうとしても無理だ、 ソレは更なる失敗だ。 仕方なくウンザリにウンザリを隠さないまま 彼の方を見る彼女とワタシ、 本人は気付いているのか判らないが 彼はまだ観衆を必要としているようだ、 今の彼は自己憐憫の塊過ぎて、ワタシですらソレが鼻につく。 「・・・お前は運がよくて、俺はマヌケだと思ってるんだろ?」 ・・・毎回毎回、この手の自嘲は聞くに堪えないモノがある彼らにとったらソノ都度が「初・自嘲」かも知れないが ワタシは何十回も同じような「彼らの呟き」を聞いてきたのだ、 彼女にしたら・・・・いや、毎回聞く気が全く無いのだろうから 案外毎回新鮮に聞こえるのかも知れないな、 ソレならば少し羨ましい、1回くらい代ってくれないものか 「そうだ、俺はマヌケだよ、 今日のパンクだって本当はもっと巧く行く筈だった、悪かったな!」 ・・・・・・・ん、厭な予感が、「こう芝居掛かって何かを自嘲する時」の殆どの場合は 更に面倒臭い局面に突入するモノだったのだ、 ああ困るなぁ、イヤだなぁ、 「お前、今日は高速に入る手前でパンクしたんだよなぁ?」 彼が彼女に向けて頑張って喚いているのに例により全く彼女が聞いていないので 流石に目で彼女を睨むワタシ、 目線に気付き(何よ?だって面倒じゃない?)と 呆れる返事を目で遣す彼女。 「・・・・ああ、ええ、そうね、高速に入る前でよかった、わよ?」 ![]() 彼に適当な返答をして(コレで満足?)と ワタシに目で話す彼女、・・・満足も何も、全く、 「あれな、本当は高速で90キロ超えたら バーストする筈だったんだ、驚いたか!」 ![]() 彼の不思議な告白に数秒キョトン、とする彼女とワタシ 走行90キロ超えでバースト、とな。・・・・ほえ? 「それ、計算してタイヤに穴を開けれるモノですか?」 ----- 実に率直に、素朴な疑問としてワタシは彼に問う、 「出来るんだよ、俺は計算に計算を重ねて、俺には出来るんだよ!」 ----- そうなの?そんなに巧く計算してパンクってさせられるの? 「そ、そうなんですか、でも、高速でそういうのは・・・・危ないです・・・よね?」 ----- これまた馬鹿みたいなコトを問うワタシ、だって本当なら危ないじゃないか、 「車なんて潰れたら良かったんだ!お前の車なんてな!」 ----- い、いやぁ、車が潰れるとか、の、問題じゃなくて、ですね、 「・・・・そのアナタ流の計算が巧く行って、車が事故したら、良かったんですか?」 ----- いかん、腹が立ってきた、ワタシが腹を立てる立場ではないが、どうにも・・・ 「だって車なんて要らないだろ?俺が何所でも送るじゃないか!」 ----- こ、このアホ・・・・ いかん、深呼吸、深呼吸、と、 ワタシが怒る立場でないのは重々承知しているのだがチョット待て、待てよ、 頭に血が上り広いリビングを2周ほど クルクル歩きながら煙草をもう1本出す 落ち着け、落ち着け、ワタシ、 怒っても意味が無い、そう、意味が無いのだから 「・・・・じゃあ、それで事故を引き起こして、関係無い人が巻き込まれたら あなたは一体どうやって、 ソノ関係無い人に申し開きをするんですか?」 キョトンとする彼、あれ、ワタシ、変なコトを言ったのかしら、 ワタシの言うコトは変なのかしら、おかしいな、じゃあ角度を変えて・・・・ 「・・・・えっと、あなたの計算通りに90キロ超えでバーストしてですね、 キュキュキュ~っと車の制御が効かなくなってですね、 そのまま他の車を巻き込んでドカーン、って事故したら、 彼女も、関係無い人も死んじゃう事故に、 繋がる可能性はありますよね?」 またもやキョトン、とする彼、何なんだ!コイツ!脳が真性包茎か! ワタシがアホみたいじゃないか! ワタシ他の国の言葉で喋ったか? 何が駄目?どうして通じないのだ?! ドンナ角度から説明すれば伝わるのか? ええと・・・・、ええと・・・・、 ![]() 「なに?あなた?私を殺そうと?したの? 私に死んで欲しかったの?」 え、 なにコノ「がっつり食付いてきた感」は。 ![]() 首を捻って彼女を見れば彼女は 前ノメリになっているではないか、 恐らく、この彼と付き合ってきた中で 1番嬉々と言葉を発音したに違いない 彼女の眼がキラキラと輝いている、 おそらく、彼女は初めて彼に注意を向けているのだ、 しかも、「私を殺そうとしたの?」と言いながら 少女のように顔をピンク色に蒸気させて、か。 なんて・・・・ なんて・・・・嬉しそう・・・・なんだ・・・・ ああ・・・もう・・・・ ・・・・なんだかなぁ・・・・ すがすがしい朝、天気も申し分ない、
さて、今日も頑張る・・・・気がしないのは一体何故なんだ。 家に着いてから相方への弁明、いや、説明、両方か、ひたすら相方に謝るが どうにも「謝り損」的な感じではないか。 しかし、ワタシが「彼」を甘く見ていて 夫婦の私的な場所に 電話で介入されたのは現に「MY落ち度」だ。 外出先でピロピロと鳴りっ放しでも困るし仕方ない、掛け直すか。 少しイラついていたので挨拶もソコソコに「番号、どう調べました?」とダイレクトに聞いてみる。 「いや、色々なルートを知っているから・・・」と 彼は弁明気味に答えるモノの 「自分に調べられない事柄は存在しない」と 実に厭な含みを持たせてきた。 彼は何か色々と言ってはいたが 口先ばかりで謝りはするのに同時にワタシを怒らせたいのが判る。 そうか、なるほど、「これ」を彼女に言って欲しいのだな? 彼女の親友の番号などを調べて電話し、この「イヤンな行為」をワタシが怒って彼女に直訴して欲しいのだと理解する。 普通なら「そんな行為」は 彼女の立場なら激するトコロなのであろう、 それでも、どんな行為でもイイから 彼女に少しでも構って欲しいのか。 関係ない人を巻き込もうが彼女に真摯に叱って貰うが為に、か 子どもか、おまいは ・・・・・・・、ま、まあイイ、いやよくないが、まあイイか、それほど彼女に叱って欲しいのならば ゴ希望通りに彼女に伝えよう、 ・・・彼女に伝えたトコロで彼女は コノ話に興味などは示さないのだが・・・・・・ しかし何とも不思議な話ではないか、幼稚に「叱って欲しい、構って欲しい」が為に愚行をして ソレにより更に軽蔑されると言う概念は皆無なのだろうか。 自分の支離滅裂度を人のせいにし、ドンドン加速し出すと あまりの加速度に景色が流線的になり麻痺してしまうのか それとも、その類の概念のラインなどは頭から飛んでいるほどに もう「彼」はトコトン「キレてしまう寸前」なのだろうか、 ワタシには判らない。 「・・・・と、言う訳だから、少しは彼を構わないと」昼過ぎ、彼女の仕事の休憩時間に携帯に掛けてみる。 「あら、そうなの、アンタは別にイイとして・・・・」 「なんでワタシはイイのよ」 「旦那さんに・・・悪かったわね、私が直に謝ろうか?」 絶対に人に頭など下げない、詫びない女がこういう中でたまに 「人間ぽさ」を滲ませてくるので大いに扱いに困る。 そうなのだ、こうやって 1000の中のたった1つの人間味をチラと垣間見せるので ワタシは今日も、明日も、 そして今後も、彼女を嫌いになれないでいるのだろう。 「・・・いいよ、旦那アンタのコト怖がってるし」「クスクス、やあねぇ、何が怖いのよ」 「普通の男ならアンタを怖がるのが普通や」 「クスクス・・・判った、とにかく悪かったわね」 「じゃあ切るわ、・・・あのさ」 「ん?なに?」 「何だか、少し厭な予感がさ、気を付けなよ」 「クスクス・・・判ったわ、アリガトね」 気を付けなどしない女に「気をつけろ」と言っても無意味だが昔からどうしても言ってしまう、繰り返さずにはいられない。 「いつか、いつの日か大事に至りませんように」 叶うコトなら、と、ソレばかりを願ってきたワタシであった。 彼女は善人では無いけれど、彼女が自ら選んだ道だとしても、 けれど、けれども、 子供時代を奪われたまま 大人になるのを余儀なくされたのは事実だ ![]() 人生の行いの全てがポイント制ならいいのにな、 それなら彼女の今までの悪行の数々は 受けてきた受難のポイントで幾らかは補える筈なのに ワタシなら、そのスタンプを押してあげれるのに ![]() ・・・どうして、少し感傷的になっているのだ、ワタシは。 ま、まあイイや、コッ恥ずかしい、止めだ、止めだ、 さて、自分のすべき日常に戻ろう、そうしよう、うむ。 それから1ヶ月ほどは静かであった、不気味なほどに。 一旦執拗になった男と言うのは急には改善などしない、と、言うコトは彼女が巧みに操作をしていると言うコトだろう。 彼女の手に掛かれば巧く運ばない事柄など無いのだが 何と言うか、引っ掛かるコノ違和感、 この小さな心地の悪さは一体何だろうか・・・・ そしてある静かな晩、「静かな晩だ」と意識すると途端に胸が波立つ、 静かな時と認識した瞬間にソノ静寂が破られると言う予感 この感覚は誰しもが経験を持つであろう、 胸に沢蟹が1匹居るような。 ならば「静かな時間だ」と認識さえしなければ ソノ心地良い静寂はもっと持続してくれるのか否か、 それについてはまだ自分の中で解明できてはいないのだが。 ベルが、鳴る。 静寂について先刻の不明瞭なコトを考えながら受話器を取る、 「愉しくない電話」が鳴る時は 人は何故かドコかで感じるモノである。 再生していた映画を止めてパッケージに戻す、 少しの時間なら一時停止ダケすればイイものであるが 人が胸に飼う沢蟹と言うモノは本当に不思議な生き物であります。 「足もなくて、お財布もなくて、本当に悪いケド迎えを頼めるか」と 彼女の静かな声に 今は文句を言わずに素直に肯こうと感じる。 足が無いのは判る、パンクか故障か、とソンナ程度かも知れないが お財布が無いのは耳に新しい、どんな事態なのだろうか。 ホントにお財布が無ければTAXIも電車も勿論使えない、 考えながら運転していたら彼女に教えて貰った住所に案外早く着く、 いいマンションだな、ウチの何倍あるのかしらん ![]() ロック解除に教えて貰った部屋のインターホンを押す、 しかしナカナカ返事も無ければロックも解除される気配がない。 その時に調度このマンションの住人であろうか、 出てくる人が居たのでコレ幸いに滑り込むのに成功する。 エレベーターで部屋のある階まで上がり目に入る夜景を眺める、 とてもイイ立地でイイ環境なのだな、 と改めて感心してしまう。 部屋の前に立ちインターホンを押すが返答はない、 どうするか、大きくノックをしてみるか、と思った時 静かに扉が開き「例の彼」が上目使いでワタシを見る 余りコノ彼と話したくないな、さっさと彼女を連れて帰ろうか、玄関口で彼女を待つつもりであったが「例の彼」に奥へ促される。 「ああ、ごめんね、悪かったわね」と彼女の声が向こうから聞こえ リビングの奥か?いや、それよりも、あれ? 「臭い、何が燃えたの?」と思わず言ってしまったワタシである。 リビングの奥に消火済みではあるが小山が燃えた残骸がある、 何だろう、中に服の袖が見える、 革紐も、あれ、見覚えがあるし・・・・ 「あれえ?アンタのコート、バッグも、燃やしたの?」----何だコレ、服と鞄を燃やしたのか、いや、燃やされたのか、 「う~ん、そうなの、だから足も何もなくて、ゴメンねぇ」 ----勿体ない、高いのに、いや違う、何て酷いコトを、だった 「しかもリビングで?スプリンクラー作動しませんでしたか?」 ----含みながら「彼」に聞いてみる、これ位の厭味はイイだろう、 「・・・・だって、どうしても帰るって言うから」 「だって、どうしても帰るって言うから、」 ![]() ・・・・・で、何だ、それからどした、 どうしても帰るなら 帰れないようにコートと鞄を燃やしてイイのか、 全く・・・・・もう・・・・・ 「この部屋、禁煙?焦げ臭いし今更イイですよね?」彼に許可は求めずにソノ場で1本火を着ける、 だって、長い夜になりそうだったからだ・・・・ ![]() 「・・・・ねぇ、灯油臭いよ」 「そうね、これ、灯油、ねぇ」 「・・・面倒臭い電話掛けてこないでよ」 「クスクス、ゴメンねぇ、 でもアンタこの対処方、確か知ってたでしょ」 「・・・よく憶えていたなぁ そんな話」 カフェで彼女が「少し逸脱しちゃった相手」を初お披露目してから 1週間くらい経った頃だろうか、 彼女から珍しい時刻に電話が入り 何事かと電話に出てしまったのだ。 「ガソリンのゲージは、キチンと入ってる、し」「でしょう」 「随分と陰湿やね、ドレくらい混ぜたのかな」 「さあねぇ」 「タンクが壊れなきゃイイけどね」 「そうねぇ」 連日の悪戯パンクの次はコレか、タンクをコジ開けてガソリンに灯油を混ぜられたのだ 灯油を混ぜられた量にもよるが車が可哀相じゃないか、 ガソリンタンクに灯油が混ざると分離するのだ 最初は普通に走行できても直ぐに車は動かなくなる 灯油で動く車は無いのだから当然である。 ワタシも同じ悪戯をされた経験があるのでド素人対処方だけは知っている、それは「空ふかし方」だ。 車が動かない状態でアクセルを踏んで踏んで踏みまくる、 ブオ~、ブオ~、と排ガスを出して出して燃やしまくる、 車は本当に可哀相であるが 一旦、灯油とガソリンを出し切らないと話にならない 夜中でオイルチェンジする術がない時はこの「空ふかし方」くらいしかワタシには出来ない、 車への負担は軽くはないのかも知れないが どうしてもロードサービスを呼べない時の手段に 車屋さんが教えてくれたモノだった 「ロードサービス、呼んだらイイのに」「連日呼びっぱなしで恥ずかしいのよ」 「・・・・ああ、そう で、なんでワタシならイイのよ」 「ソレにコンナ悪戯されたって何だか恥ずかしいじゃない」 「・・・・ワタシにも恥ずかしがればイイのにね」 「クスクス、もう、イヤねぇ」 何がイヤねぇ、だ、ホントにコッチがイヤだ。交代でアクセルを「ぶおん ぶおん」と踏みまくり 中身を排出してからガソリンをトポトポと注入する。 「お、そろそろイイかも、イイ感じ、イイ感じ」 「少し後ろ付いていくわ、大丈夫そうなら帰るから」 「うん、悪かったわね、ありがとう」 「車、明日点検に出しなね」 少しだけ彼女の車の後ろを付いたが大丈夫そうだ、信号で彼女と別れると少しばかり考え込んでしまうワタシ。 本当に、本当にアノ彼氏が悪戯をしているのだろうか、 彼女は「証拠は無いしどうでもイイ」と言っていたが 証拠が見つかればソレはソレでどうなるのだろうか。 決定的な証拠が見つかっても実は怖いのはソノ後だ、彼女は証拠を目の前に提示されたとしても 実にどうでもイイ事との認識しかない故に 彼女は全く興味を示さない、 その時、 悪戯をしていた側が精神的にメッタ打ちをされるのだ。 ん、この説明は少し判りづらいかもしれない、ええと、ですね、 悪戯を行っていた側なのにメッタ打ちにされると言うのは 「アンタが何をしようとも毛ほどの興味は無い」と言うコトを 彼女から叩き込まれてしまうと言うコトなのであります。 そして、悪戯をしていた側は「自分の存在は虫以下なのか」と ノタウチ廻り、壊れる速度を増して行くのであります 断言はできないが 彼女と周囲を見てきた限りではそうであった。 カフェで会った彼の一見善人ぶったウサン臭さと非常に打たれ弱そうな瞳の色を今一度思い出す。 世間の地位としては高い位置に座を設けているようだが 良くない言い方をすれば 「そういうのは何かの時に脆い」のが通説でもある ![]() あの彼の何とも言えない必死感が気になるのだ、 彼女の相手は皆が例外なく必死だったのは事実であるが あの彼の「危うさ・脆さ」がどうにも鼻について仕方ない、 要は「いつもより、やや変な匂い」なのだ。 しかし、ワタシの問題でもなければ彼女本人が全く問題視していないので考えても無駄だ、 次の信号で携帯を確認するか、先刻鳴っていたようだ。 「ドレドレ、誰ですかコンナ時間に・・・」 ![]() 着信履歴には知らない番号、間違い電話なのか、 でもコノ番号、ドコかで見掛けた記憶が ・・・しかもごく最近に。 厭な予感を覚えつつ自分の財布を取り出す、 カフェで「あの彼」に頂戴した名刺が差し込んだままだったのを思い出す。 「あ、やっぱり」 あの彼の名刺の裏に「個人用携帯」と記された番号と一致してる、 とんだ困ったチャンなのだな、 ワタシにまで掛けてきたのか、 彼女にインチキな助け舟を出そうと電話して 例によってケンモホロロに断られたので 一緒に居たワタシに掛けたのか、 一体ドコから観察してるのか、しかし彼にワタシは番号を教えてはいないのだ。 加えて彼女も絶対にワタシの番号などは漏らさない、教えない。 考えられるのは彼女と一緒にロードサービスを待った時か、彼がドコからか見ていたのならば ワタシの車のナンバーから陸運局経由か、 それくらいであろう ![]() 「・・・・・・・」 まあ、イイや、しつこく何回も掛けてきたら出ればイイ。 番号を調べられたのはイイ気持ちではないが 実害は生じていない、 何か実害が出たら彼女に伝え対処を頼めば済む話だ。 夜も遅いし家に入る前に念の為、留守電に切り替えておこう 明日は予定があり忙しい、 ワタシもこのコト自体を忘れてしまえばいい そう簡単に考えていたのだがそれから5分後にはワタシの家の固定電話に 「その彼」から着信の嵐があったコトは 家に着くまでモチロン知る訳がなかった。 その時刻、寝ていた相方が何事かとワタシの携帯に電話したが ワタシは留守電に切り替えた後であったし 留守電は使えなかった、 何故なら「その彼」から容量一杯、 ドコモなので20件全部入ってしまっていたので 入らなかったのだった。 「今回の彼女の相手は何かが違う」と書いたが勿論イイ意味でも何でもないのだ、 ただ、「心地が悪い」と言うべきか。 「その彼」と最初に会ったのは例により「彼女のテコ入れ作業の場」である 「どうも、はじめまして!」----不思議な声のトーンに眼を上げる、 読書中だったのに、少し苛立つ 「あ、どうも、どうも、すいません、僕、あのですね、」 ----誰だ、この人、知らないな、 誰かとワタシを間違えてるのかな 「ホラ言ったでしょ、窓際に絶対に座ってるって」----何だ、また彼女なのか、 よくこの店を嗅ぎ付けたな、参ったな 「突然声掛けたりなんかして、すいません、ほんと、」 ----何だかよく謝る男の人なのだな、 緊張でもしているのかな 「ホラ、席詰めて詰めて、どうせつまんない本よね?」----ワタシの持っていた本のカバーを剥ぎ取る彼女、 ああ、もう全く、 「返して、人の本の好みを覗くのは嫌われるよ」 ----とても侵害する行為だが 彼女には慣れてるからか怒る気がしない、 ドコでコノ店のコノ時間帯を嗅ぎ付けたのか、また「テコ入れ作業」なのか しかし「彼女の相手」は瀕死の状態とはほど遠い、一見、元気に見えるのだが それ以降は彼女がいつも通り「私の昔からの親友よ」とワタシを紹介し ウンザリするワタシをよそに虚しい一幕が続いて行く。 気のせいか彼女の相手はワタシにも 満面の笑みで機嫌を取っているようだ、 大切な彼女の親友ならば平行して大事なのか、 少しやり過ぎにも感じるが。 「帰りは、どうされます?」 ----唐突に彼に聞かれて「どう」って何だ、返答に困る、 「あ、いえ、電車なら送りますよ、もちろん」 ----モチロンって更に何だ、何を必死に機嫌を取っているのだろう 「ううん、いいの、女同士で久しぶりに話したいし、先に帰って、ね?」 ----そう彼女に軽く否められると眼に見えて彼に失望の色が広がる 「・・・そう、だね、久しぶりなんだもんね、邪魔しちゃ悪いしね、うん、判った」 ----彼が濡れそぼった犬のようになるので何だか申し訳ない気分になる、 「じゃ、僕の名刺を。いつでも、何でも、便利に使える男ですから、じゃ。」 ----うえええ~ い、いや、うえええ~と言うのは失言か、失礼した、 しかし、とても気持ちが悪い、必死感も極めると滑稽ではなく憐れを誘うのか ドコから見ても育ちのイイ匂い、腕時計のチラ見せ加減も申し分ない オーダーを感じさせない計算されたオーダーのスーツ、 自慢にならぬよう砕きながら話してはいるが 高い地位なのが窺える。 まるで、世間一般での「結婚したい人」を具現化したような人物である 彼の子供ならばさぞ美しい子供が期待できるであろうな顔立ち、 女性に不慣れな筈も無いのに何の因果で彼女などに絡まったのか。 彼は今までに努力も多かったのかも知れないが努力の方だって彼に今まで報いてくれていたのが良く判る、 ゆえに崩れ方、 壊れ方の反動も大きいのであろうコトが窺える。 「努力」や「誠心誠意」などが 彼女には何の役にも立たないコトを この目の前の彼はドレくらい理解をしているのだろうか 彼が淋しそうに背中を丸めて店を出たトコロで一応聞くか、 「何なの、今回の人」----明瞭な返答など期待はしていないが一応聞こう 「何なのって何なの」 ----薄く笑う彼女、いつ見ても変わらず本当に綺麗な女だ 「元気一杯やん、テコ入れ必要?」 ----必要だからしているのは承知なのだが、なんせ彼女だ 「ああ、ソレね、うーん、様子見な感じかな・・・」 ----意外な答えだ、様子見?何の様子見なのだろうか 少し話した後でお互いの車が同じ駐車場なのを知り話しながらプラプラと歩くコトにする、 彼女が2Fでワタシが3Fか、階段で上がるか。 「あら、いやだ」 ----彼女の視線に続くワタシ、 「あらま、ザックリ」 ----タイヤがザックリだ、酷い悪戯だな 「スペアは?」「スペアは昨日使っちゃったから無いのよ」 「え?昨日もパンク?偶然?悪戯?」 「さあねぇ、ま、いいケド」 「ロードサービス呼ぶ間、一緒に待つよ」 「優しいのねぇ」 「先に帰ったらアンタ、ブツブツと煩いやんか」 その時、彼女の携帯が鳴る、「もしもし」と彼女の声に相変わらず生気はない。 「うん、うん、別に・・・用事はないけど・・・」 ----彼女の話し方に先刻の彼であろうと察しられる。 「いや、ホント、用事は特にないのよ、」 ----少しダケ妙な会話だな、彼の声が携帯から少し漏れる ![]() 「・・・だから、頼みたいコトがあれば言うから、 でも今は無いのよ」 ----それでも彼の食下がるような 口調が漏れて聞こえてくる 「ホントに、何もないから、もういいかしら?」 ----少し鬱陶しそうな口調で電話を終える、いや、終わらす彼女 「何、何か揉めたの?」「ううん、何も。何か困ったコトはないかって、それだけ」 「・・・・誰が聞いても変な会話に聞こえますが」 「そうね、変ね。」 「パンクしてるのをドコかで見てんじゃないの、あの彼氏」 「どうかしらね」「どうかしらねって・・・いや、冗談で言ったんやケド」 「ああ、そうなの、クスクス・・・」 「!!ええっ!マジにか!」 仮定として、彼女の車がパンクさせられたのを何故かアノ彼氏は知っている、それならば結論は1つだ、 あの彼氏がパンクさせたのだ、 彼女に助けを請うさせるために。 信じ難いが「そういう男」は意外に居るのだ、 現に他でも2人ほど知っている。 「でも、このタイミングに頼み事は無いかって普通、掛けてくる?」 ----普通はモチロン掛けないだろう、そんなのバレバレじゃないか、 「さあ・・・証拠はないし、別に頼る気は無いからドッチでもイイけど」 ----そうだった、だからと言って男に頼るキャラなどでは無かったな 「アンタが彼に頼らんからパンクって言う理不尽説が発生したの?」 ----本当にそうなら困った男だ、度を軽く越して只のオバカではないか 「クスクス、ホント、変な話よねぇ」 ----例によって人ゴトか、ストーカー慣れしている彼女ならではだろう 「変どころか妙なストーカー行為に迷走中やん、いいの?」 ----彼女も何かを企んでいる?様子見の意味を今一度問うてみようか 「どうでもイイのよ、そんなの」 ----どうでもイイってさあ・・・・ うーん・・・・ ・・・・・・・・ そうか、イイなら、イイのだな現行の彼氏が妙な行為に迷走していても この先も付き合って行く相手でも 何でも無い訳だからどうでもイイ、 それより「人の迷走の過程」を観察して愉しんでいる-----と言った所なのか ![]() キレたり、迷走している人間を 愉しみながら観察すると言うのは とてもハイリスクな行為なのを 彼女本人もよく知っている筈である。 以前彼女は、焦がれ過ぎてしまい 少し変になった相手から1度刺されている、 その時は急所を大きく外れたので大事には至らなかったが 程度を問わず命を晒しながらの「ヒトの観察」などは無意味でしかない そう、無意味、だ。 ・・・・あ、無意味、と言うコトは・・・・・・・彼女の好む分野でもあるのだった、 少しばかり考えあぐねてはみるが イイ案も浮かばない、困った、な ・・・・まあ、彼女に対応できない事柄などは存在しないので放置しておいても問題は無いのであろう。 今回の彼は突飛レベルに既に到達している訳だから 彼女も手綱を引いたり緩めたりする作業を いつもよりは細やかに注意を払いながらするに違いない ・・・・・・・・。 ![]() ・・・・だよね、怖いモノや愉しみ見たさに 彼女が余分に悪戯で彼を弄ばなければ、 大丈夫・・・・だよね ・・・・うん、・・・心配には及ばないであろう、現に先刻ワタシは彼を「元気一杯」に見間違えたのだ。 彼の「元気一杯」は何のコトはない、 風船が割れる少し手前の膨らみ加減であったようだ。 もう幾分かは調子に乗って膨らめる筈である、 その後は何にせよ自己責任の世界なのだから仕方ない そのまま一気に割れるのも本人次第、序々に空気を抜いて凌ぐのも本人次第、 大人、なんだし、 大人・・・・なんだし、齢、だけは。 彼が齢ダケを喰った大人だとするならば子供が大人ぶるよりも危険だと言うコトは誰でも判る、 ドッチなのだろう、それともそのドチラでもないのか、 まぁ、今ワタシが考えたトコロで ソレは全く意味を持たないので仕方がないのだが・・・。 ![]() さて、やっと昔話を終えたら100年くらい話を進めよう。 200年前の話からは100年ほど進み 今現在よりは100年前ほど遡ると言う感じだろうか 「・・・あのさ、・・・いつ両親に紹介してくれると思う?」 「いや、紹介しないと思うし本人に聞けばいいんじゃないの?」 「!そんな聞けないよ、そんな図々しいこと・・・・」 「あの子(彼女)の友達のワタシに聞いてる時点で図々しいんじゃ?」 「そ、そんな、・・・つもりは無いよ」 「あのね、ガッカリさせて悪いケド、 この話を彼女にワタシがそれとなく伝えると思ったら大間違い、 自分で言いたいコトはワタシを介さずに彼女に直接言って、ね?」 これは彼女の付き合う相手とワタシとの会話である。こんな会話を一体何人の人としてきたのか判らない、 多分途方もない数だ。 何故に彼女の付き合う相手が ワタシに相談ばかりを持ちかけてくるのかと言う内訳はこうだ 彼女は幾つになろうが付き合う相手を悪戯に玩ぶクセは治らなかった。 終始玩ばれる相手が疲労困憊し尽くし、 足元から崩れそうになれば 彼女は必ず相手に嘘塗れな優しさを差し伸べたのだ。 その時は必ずと言ってもいいほどワタシを巻き込んできたモノであった。 ワタシになら面倒な説明も弁明も要らないし ワタシになら正面から嘘をついてもワタシがドコかで許すと思っているからだ 「ちょっとお茶でも」と巧みにワタシの時間に入り込みその時は必ず 「玩び中の相手」を同席させてくるのであった。 「またなのか!」と睨んだトコロで 彼女は例によって涼しい顔だ、 玩ばれ疲れ果てている相手は「彼女は真剣に応えてくれない」と 自己憐憫で胸を満たし中なのだ、 ソコに彼女が「私の昔からの親友を紹介するわね」と 今までの冷たさは一体ドコへやら、 相手を受け入れる仕草を見せる。 ココで疲労困憊していた筈の彼らは 嬉しい晴天の霹靂で頬を打たれ喜びの涙で咽ぶのだった。 「昔からの親友を紹介してくれる」と言うコトは「他の男とは違い彼女は俺に真剣になってくれている?」と 何とも「彼らダケに都合の良い図式」を 勝手にブチ立ててしまうのだ。 今まで冷たかった彼女が「昔からの親友を紹介した」と言うのは 彼らの勝手な図式の中では 大大大進展に相当する事柄らしいのだ ・・・ソノ気持ちは判らなくもないのだが コレは彼女が常時行っている 「テコ入れの一環」だけの話なのだ もう少し持たせる為だけの、とても、とても残酷な餌付けである もう少しダケ生かす為だけ、捕食しながら弄ぶだけ為の行為、 どうせ最後は嬲り殺してしまうのに、 愉しむ為に虫の息で生かす行為。 全く・・・・困ったものである (色々な、ありとあらゆるモノが) 「さて、彼も帰したし、久しぶりに女同士で積もる話とか」「いい加減にしなよ、おんなじコトばっか繰り返して・・・」 「でも、私が頼んで彼に付き合って貰っている訳じゃないし」 「そういう人を喰った態度がイカンの、あのさぁ・・・」 彼女の「テコ入れ」に巻き込まれた文句も 右から左へと抜ける説教も変わらない、 いつも同じ、いつだってそうだ。 「何が親友を紹介する、だ。毎回嘘ばっか言って」「?え?親友?じゃないの?私とアンタ」 「違うね、全く違う、アンタに友達なんて1人も居ない」 「クスクス・・・酷いコト、言うのねぇ クスクス」 「アンタだってワタシを友達なんて思っていない、 アンタが無茶ばかりするのを見届ける証人なダケや」 「クスクス・・・酷いなぁ ・・・クスクス」 ![]() そうなのだ、「私の親友よ」と薄い嘘を彼女はつくが 親友ではない、友達ですらない、 ワタシは彼女の「生き証人」なダケなのだ、昔も今も。 ワタシは365日彼女が修羅場を愉しむのを窘める証人だ、彼女がどれだけ無茶をするか、 彼女がどれだけ狡猾なのか、 彼女がどれだけ生傷を手放さないか、 ワタシと言う存在は ソレラを傍観するたった独りの証人なのだから しかし、それでも、子供の頃に何かを共有した間柄と言うのは 何かを超越する別格なモノが存在するのも確かである。 ゆえに彼女と縁が切れてしまうコトは・・・無いのであろう。 それに、「偽善者」と付き合うよりは 彼女の「悪さ」は正直さを伴っており 少なくとも納得が出来るモノであった。 「だから、知りません、てば」「知らないって、じゃあドコに行ったんだ?携帯通じないし」 「だから何でワタシに聞くかなあ?本人に聞いてよ」 「・・・シツコク聞けないじゃないか、彼女そういうの、嫌うし」 「だからってワタシに愚痴る?勘弁して下さいよお」 と、言う訳で今日もこんな会話を繰り返すのだ。彼女に嫌われたくない一心ではあるが 彼女の動向が気になりいてもたっても居られない。 いつも同じような会話で、同じようなリアクション、 ゆえに正直なトコロ 目の前の人の名前がいつも覚え切れない、一致しない。 「そんなに辛いなら、彼女と別れればイイんじゃ?」「・・・・・それは、・・・・・無理」 「じゃあ仕方ない、彼女は変わらないですよ?何を期待しても」 「・・・・・・」 「・・・忠告だけは、しましたよ、じゃあ」 「・・・・ゴメン、相談できる人が、君しかいないから」 「・・・いえ、ワタシこそ、でも、・・・・いえ、スイマセン」 彼女がワタシを親友などと裂けた嘘で紹介するものだから彼らはワタシに愚痴をこぼすしかなくなってしまうのか。 ワタシにできるコトは何もない、 絶対に期待など持たさないように愚痴を聞くくらいしかない。 目の前の「今回の相手」は、あとドレくらい持つのだろうかあと数日、あと数週間、あと数ヶ月、・・・・・半年は無理だろう。 「人に根底から翻弄される」と言うのは確かにキツイものだ、 他の誰でもない、自分のコトなのに 何1つコントロール出来ないと言うモドカシサを鎧として身に纏う 仕事も対人もロクに手が付かなくて普通のコトすら出来ないのかと 己を叱咤しながら恥じる日々、 こんな感情を全部認めてしまえば淘汰されるやもと思い プライドをかなぐり捨て、全てを曝し差し出してはみるものの 全てを曝け認めたトコロで何1つだって変わりはしないのだ、 そしてソノ現実で恥辱に塗れながら膝を深く折る。 そして「彼ら」は眼に見える速度でチリチリと端から焦げて縮み出す、 その時点で誰が手を伸ばしたとしても無駄なのだ、 「彼ら」は既に焦げて灰と化しているゆえに ドアを閉める風圧すら最後の一片までも消し飛ばしてしまうのだ。 ---- ---- ---- そして、何も残らない ------- 何も残せないで彼らは消滅してしまう ---- 殆どの相手はそうであった、のだ。しかし、今回の相手は違う、何かが違うのだ、 彼女はいつもと同じで全く変わりは無かったのだが 「今回の彼」は何かが違う、 ・・・・なんだろう ・・・・・このモヤモヤは
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珈琲が美味い、
アレだけ男1匹、壊しておいてコメントはソレなのか、
14歳の時も判らなかったけれど
もっと、もっと危機感を感じられる相手なら
判らないよ、
判っていたのに、
「・・・・アンタさ、拡大自殺って知ってる?」
替わりに彼女が言う、 「・・・少し、寒いわね」
そして、やっぱり先にワタシが負ける、昔も、今夜も。


彼女の背中がすっかり見えなくなってから
------なんて、なんて、
お、やっと、
誰かが自分を殺そうとしている、なんて
誰かが本気で自分を壊そうとしている、
誰かに「本気で愛される」などには全く興味は沸かないし
本気で壊して、薄皮1枚でまた辛うじて繋げて、
先刻の彼女の弾んだ声での質問に彼の表情が変わる、
彼の顔が一気に蒼白になる、
思わず手で目を覆ってしまうワタシ、
そして、彼は、真っ白になる。
いや、しかし、
「コホン、・・・・ええと、あのですね その、」
ワタシに車のコトはよく判らないのだが
もし、ソレにより
車ダケが狙いなら
ああ、彼が、彼が、絶句して咽を詰まらせている、
絶句したままの彼に
とっとと先にブーツを履いて
無茶苦茶に掻きむしった髪型、
そんなズタボロ状態で時折ワタシをチラチラと窺い
彼女の普通の声のトーンに彼が腫れた眼で彼女を見上げる、
多分だが、彼は「彼女が強固な振りをしていたダケ」で実は
!しまった、遅かった、
「・・・車は?ドコにあるの?」
突然ヒステリックな笑い声が空気を揺らす、誰だ、高い笑い声、
彼女の前でキレて高笑いする人と言うのを
・・・毎回毎回、この手の自嘲は聞くに堪えないモノがある
・・・・・・・ん、厭な予感が、
彼が彼女に向けて頑張って喚いているのに

ワタシが怒る立場でないのは重々承知しているのだが
「・・・・じゃあ、それで事故を引き起こして、
「・・・・えっと、あなたの計算通りに
またもやキョトン、とする彼、

家に着いてから相方への弁明、いや、説明、両方か、
少しイラついていたので挨拶もソコソコに
彼女の親友の番号などを調べて電話し、この「イヤンな行為」を
・・・・・・・、ま、まあイイ、いやよくないが、まあイイか、
しかし何とも不思議な話ではないか、
それとも、
「・・・・と、言う訳だから、少しは彼を構わないと」
絶対に人に頭など下げない、詫びない女が
「・・・いいよ、旦那アンタのコト怖がってるし」
気を付けなどしない女に「気をつけろ」と言っても無意味だが
彼女は善人では無いけれど、

一旦執拗になった男と言うのは急には改善などしない、
そしてある静かな晩、
静寂について
「足もなくて、お財布もなくて、
足が無いのは判る、パンクか故障か、
エレベーターで部屋のある階まで上がり
余りコノ彼と話したくないな、さっさと彼女を連れて帰ろうか、
「あれえ?アンタのコート、バッグも、燃やしたの?」
「この部屋、禁煙?焦げ臭いし今更イイですよね?」
カフェで彼女が
「ガソリンのゲージは、キチンと入ってる、し」
連日の悪戯パンクの次はコレか、
ワタシも同じ悪戯をされた経験があるので
夜中でオイルチェンジする術がない時は
「ロードサービス、呼んだらイイのに」
何がイヤねぇ、だ、ホントにコッチがイヤだ。
少しだけ彼女の車の後ろを付いたが大丈夫そうだ、
決定的な証拠が見つかっても実は怖いのはソノ後だ、
ん、この説明は少し判りづらいかもしれない、
そして、
カフェで会った彼の一見善人ぶったウサン臭さと
しかし、ワタシの問題でもなければ
あの彼の名刺の裏に
考えられるのは彼女と一緒にロードサービスを待った時か、
そう簡単に考えていたのだが
その時刻、
「今回の彼女の相手は何かが違う」と書いたが
「どうも、はじめまして!」
「ホラ言ったでしょ、窓際に絶対に座ってるって」
「ホラ、席詰めて詰めて、どうせつまんない本よね?」
それ以降は彼女がいつも通り
ドコから見ても育ちのイイ匂い、
彼は今までに努力も多かったのかも知れないが
「何なの、今回の人」
少し話した後でお互いの車が同じ駐車場なのを知り
「スペアは?」
その時、彼女の携帯が鳴る、
「何、何か揉めたの?」
「どうかしらね」
仮定として、彼女の車がパンクさせられたのを
・・・・・・・・ そうか、イイなら、イイのだな
・・・・あ、無意味、と言うコトは
・・・・まあ、彼女に対応できない事柄などは存在しないので
・・・・うん、・・・心配には及ばないであろう、
そのまま一気に割れるのも本人次第、
彼が齢ダケを喰った大人だとするならば
これは彼女の付き合う相手とワタシとの会話である。
彼女は幾つになろうが
「ちょっとお茶でも」と巧みにワタシの時間に入り込み
玩ばれ疲れ果てている相手は
「昔からの親友を紹介してくれる」と言うコトは
今まで冷たかった彼女が
もう少しダケ生かす為だけ、
「さて、彼も帰したし、久しぶりに女同士で積もる話とか」
「何が親友を紹介する、だ。毎回嘘ばっか言って」
ワタシは365日彼女が修羅場を愉しむのを窘める証人だ、
しかし、それでも、
「だから、知りません、てば」
と、言う訳で今日もこんな会話を繰り返すのだ。
「そんなに辛いなら、彼女と別れればイイんじゃ?」
彼女がワタシを親友などと裂けた嘘で紹介するものだから
目の前の「今回の相手」は、あとドレくらい持つのだろうか
仕事も対人もロクに手が付かなくて
そして「彼ら」は眼に見える速度で
---- 殆どの相手はそうであった、のだ。